2020年6月                           

課題本『夜明けの街で』 東野圭吾/著  角川書店 

 

                読書会を終えて 

            講師 吉川 五百枝

 

 〈不倫をする奴なんて馬鹿だと思っていた。〉

のっけからこうである。なんだ、不倫の話なのかと読む気が萎えた。しかもこの言葉には、

〈不倫をする奴なんて馬鹿だ。〉と繰り返しておいて〈でも どうしようもない時もある――。〉

という文章が続く。

 これだけのことが、最初のページで完結する。

 「どうしようもないときもある」のは、生きている間は、ずっと付き合わねばならない普遍的

真理と言っても良いことだ。人間は、そのようにできている。自分の力だけでは生きられない

ことに気付き、それを諦念として身を処す術を学ぶ。そうやって我が身を保っているのだ。

だから、ことを起こしておいて、どうしようもなかったのだとうそぶいたのでは、それから先を

読まなくても、一冊読み終わった気がする。

 「人生って、みんな、そういう中でごちゃごちゃしながら生きているのだし、そのごちゃご

は多種多様、言えばキリがないくらいある。それを聞いて、どうするのよ」と、この先336

ージを読まなければならないのかと、本の分厚さに溜息が出た。

 しかし、考えてみれば、小説とか物語というものは、そのごちゃごちゃの中に人間の本性

や自分とは異質な存在をみつけたり、美しいと思える世界を広げたり、知らないことを知る

快感を味わったりするものだ。「不倫」と名前をつけて一括りにし、片付けてしまうには惜し

いことなのかもしれない。東野圭吾という作者は売れっ子と聞くし、ファンだという人もある。

ミステリー作家であると色分けされているようだが、それに「不倫」が加わった。愛憎劇と殺

人事件は相性がよさそうだ。課題本ではあるし、そう思い直して最後まで読んだ。

 今朝の新聞の身の上相談は「妻と別れぬ不倫相手」。妻と別れてくれぬ男性が、それで    

も好きという46才の女性からの相談である。ちゃんと答える回答者も偉いなぁと思う。「結婚」

「浮気」「不倫」「離婚」どれも危なっかしい人間の行為だ。「結婚」によって「不倫」という事

態が生じる。「結婚」を、法律による縛りと考えれば、「不倫」状態を解消するには、先行す

る相手方と「離婚」するしかない。ところが、それで揉めるのは、新聞の身の上相談の例の

ごとし。今回の作品もその過程を辿る。

 不倫だけでこのページ数を保たせるのは難しいと思っていたら、ミステリー作家らしく、

人(?)事件を絡ませる展開になった。不倫相手の女性が犯人と目され、彼女の残りの人

生を引き受けられるかという重しを加えてきた。妻への後ろめたさに、もう一つ、後ずさりし

たくなる事件をかぶせて、主人公の判断を揺さぶる。

 殺人事件かと思われた事件は、時効になる寸前に自殺と解った。そこに至るまでの途中

で、この不倫相手の父親と、母親の妹たる人物の関係は、何かあるなと私は推測していた。

私でもそう感じるのだから、ありきたりの表現なのだろう。自殺ということで、不倫相手の女性

の容疑が晴れる最後は、ちょっと唖然とした。しかも、この女性は、父親と伯母への復讐の

ために主人公を利用したらしい。その間、弄ばれた感のある主人公は、不倫を経て、妻と子

どものいる家に帰っていく。こういうのを、何事もなく元の鞘に収まったというのだろう。それ

ら後の家庭生活がどんなものだったかは、読者の想像に任される。後半人生で、また「ど

うしようもない時もある」というつもりだろうか。人間のすることだから、また別の物語が用意で

きる。

 この作品の場合、私の「結婚観」や「不倫観」などは、どうでもいい。そんなものを尋ねる

きや描写ではなかった。

 主人公達の半年間の不倫体験だけではなく、自殺者まで現れる不倫の話を延々聞かされ

た。それに、最後の章は、主人公の不倫に理解ある彼の友人の不倫話だ。

 昔、「男は外に7人の敵がある」とよく聞いた。だから妻たるもの、男の我が儘を許せという

法だろうが、「だが、男は外に8人の友がいる」というのも聞いたものだ。仲間内で助け合

子も、今回ちゃんと設定されていた。不倫は、蜜の味がするそうだから、外へ発展する

こと期待できない。内にこもって、蜜に浸っている。不倫ということ自体が囲い込んだ小さ

な人間関係なのだからこんなものなのかとも思う。

それにしても、ページ数がある割には変化の幅が小さい。

 

作品や作者について語り合う読書会で、この作品を語り合うのはかなり難しいと思いながら

のスタートだった。

 コロナウイルス蔓延に対する防備のために、公共の場が閉鎖され、3ヶ月間読書会として

活動はなかった。久しぶりの顔合わせのあつまりで、「不倫する奴は馬鹿だ」みたいな話

で始まるのだから元気よく意見をかわす雰囲気でもなく、「この作者ってこんな話も書くのね」

とか「今度はどんな切り口なのかと期待したけれど」と、社会的問題を扱ったミステリーや精

緻に組み立てたミステリーなどを想定していたのだという意見もあった。

 しかし、作者のネームバリューの割には想定外だったとは言え、どこかに集光レンズを当

ることはできて、いくつか関連の言葉が語られた。

 「夫婦は、同志だと思う」という発言もあって、主人公夫婦は、この言葉をなんと聞くだろう

かと思った。

 瀬戸内寂聴さんの言葉も紹介された。不倫とかなんとかの区分けはおいといて、恋愛を

しなくちゃ、ということ。出家の身で「恋愛しなくちゃ」と言われると、人として、どこまで愛せ

るかと、錐のように揉み込んで火を発する木片を想像した。私は、この寂聴さんの言葉で、

人間の愛を追求する恋愛小説をいくつか思い出した。不倫小説より、よほど重厚で心に残

るものがある。

 いずれまたすぐに、〈どうしようもない時〉の話にでくわすことだろうと思いながらこの本を

図書館へ返した。

 

 

 

             課題本『夜明けの街で』 三行感想 

 

◆ 【 YA 】

このような本が読書会でとりあげられるのは正に現代の先端をいくことなのだろうかと思う。

流行作家の宿命なのかと。

 

◆ 【 TK 】

不倫とか結婚とか経験不足なのですが、あまりのめりきらずにハラハラしました。奥様の家

庭的なけなげさも描かれている。人間は行動の中に真のかくれた動機があることをつくづく

感じた。

 

◆ 【 R子 】

東野圭吾さんの作品は90冊あると聞いた。私は映像として何作品か見た。今回はサラリ

マンの不倫とミステリーともサスペンスとも云えない展開で何となく、すっきり読み終えな

った。私とは恋愛、結婚、生き方の基本が違うことがわかった。しかし、本を通して本を

読むことで、今の自分の夫婦関係や社会的位置の自分も考えられることに感謝したい。

 

◆ 【 KT 】

ストーリーを追ってスムーズに読めた。不倫して本気になって奥さんと別れようとした主人

公は相手からきっぱりと別れを告げられ、元の家庭に戻った。怒り、悲しみを押さえて静

に待った奥さんは偉いが怖くもある。以後、前と同じ日が続くのか?

皆さんのいろいろの意見はとてもおもしろく、読書会は楽しい。

 

◆ 【 E子 】

恋愛小説なのかと思っていたら、秋葉のミステリアスな言葉や、行動、時効をひかえた刑

の登場と、話がミステリーに変っていった。うーむ。

不倫とは、人倫に非ざること。では、人倫とは、人の道とは……。誰が決めたものでもな

が、自分で決め、自分で責任をもって行動することがその人間の人倫であろう。

コロナ禍の中の行動とも重なることであるように思えた。

「僕の狡さだ」ということは「狡さ」であると思う。

 

◆ 【 T 】

読みやすい小説。不倫の話。奥さんに気づかれないように必死にごまかし隠しているが、

って、とっても鋭いから途中から気付いていたと思う。不倫の相手からも奥さんからも

振り回される男の話。女は強くてしたたかだと思う。

  

◆ 【 N2 】

東野圭吾の作品としては意外な題材でした。父と母の妹の不倫、娘(秋葉)と渡部との不

倫、渡部の妻の存在等のありきたりな不倫小説もどきの作品でした。殺人事件をにおわ

せるのだが、その結末もいまひとつ。

父と叔母の不倫で、実母と愛人を死に追いやったのは、なんとも残酷です。

がっかりした作品でした。 

 

◆ 【 K子 】

読み始めてエッ?東野圭吾作品に違和感があり。テレビの昼間に流行った不倫ドラマの

様?途中から東野圭吾が顔を出す。やっぱり彼の作品によくある手法の推理登場。流石!

人物描写や心の動きを描写する点は……。一読もありかな?

 

 

 

            課題本『夜明けの街で』 三行感想 

 

◆ 【 C 】 

 東野氏は本当に話が上手だなと思う。不倫と殺人事件(ではなかったが)とを絡めたこと

で、ドキドキ感二倍になり、二つの結末が気になって、どんどん読み進んでしまった。どち

らか一の話だったら、このボリュームの本にはならなかっただろうし、おもしろさも半減し

たように思う。

 正当な(?)不倫をしているつもりの渡部。秋葉が殺したと思っていた秋葉の父親と叔母。

しかしどちらも思い込んでいただけで、秋葉の手のひらの上だったというお粗末さ。ここは

シンクロしていて、おもしろいなと思った。渡部の普通っぽい男っぷりはリアルな感じがした。

秋葉は渡部を利用して、父親へのささやかな嫌がらせをしているつもりのようだったが、渡

部の純粋(?)な不倫愛の支えなしには、15年間の最後の時を乗り越えていくことは出来な

かったように思えた。だから真相を告白した後で潔く渡部と別れる秋葉は、本心なのか?

疑った。しかし再度初めから読み返すと、初めて2人が結ばれたとき、簡単には謝らない彼

女が「ごめんなさいね」とっているシーンを見つけ、やっぱり秋葉は利用しただけなんだ

な〜とわかり、ちょっと残念な気持ちになった。そうでなかったら、最後の別れのシーンも彼

女の、渡部を思っての演技ということになり、ずいぶんと余韻が違うのに〜と、勝手に想像し

たりもした。

 渡部は夢のような楽しい時間を過ごしたわけだが、事件も不倫も終わったようで、その代

償はこれからやってくる気配を漂わせながら話は終わる。そのひたひたと迫るような余韻が、

一番恐い。本編の番外編として、渡部の友人の不倫話もあったが、それより私としては渡部

の妻・有美子の話を読んでみたかったなと思った。有美子の沈黙だけが、この話の深みを

支えているよう感じた。

 

 

◆ 【 TK 】

 読書会として初めての恋愛とミステリーの小説。東野さんはミステリーといつも何かを絡めて

小説を書いています。
 ここまで浮気をしたら目撃者とかで絶対にばれるのにとハラハラドキドキでした。
 男の人は常に性的刺激を求めて結婚生活がつまらなくなるのか?とつくづく感じました。
 それにしても相手の女の方は冷静で奥様にも焼き餅は焼かない。
 最後の結末から感じたことは浮気を挑発した女は実は浮気をする動機が他にあった事で

当は人を愛したい訳でなかった事を知り人の奥底の心の内面はわからないということでし

た。
 人の話を聞くには、相手の状況と動機、感情を知るようにならないといけませんが、外から

た行と端々のことはだけではわからないということです。
 主人公の男の人は欲にかられてわからなかったのでしょう。かえって操られていました。
 小説の奥深さはここにあったと私は思いました。
 そして奥様は家庭を大切に夫に優しい別に夫が不満に思うような女性です。それでも浮

気をするのが小説というかドラマでしょうか。
 もし中年の妻なら声を荒げて嫌味をいうかもしれません。若いという事は未熟ではなく、柔

な良い特質の一つだと思います。
 最後に主人公の親友は忠告を親身になっていうのも男ならではの友情だと感じました。
 また知らなかった作家を楽しめて更に他の本も読みたくなる幅が広がりました。

 

 

◆ 【 N2 】

ロマンチックな題名に惹かれ読みましたが

今までの東野作品とは違い、正直に言うとちょっとがっかりしました。いわゆる不倫を題材

たうえに殺人事件をからめ、種明かしは自殺だったという作品です。

ミステリー、サスペンス、社会派の作家と思っていましたが、新しいジャンルに挑戦したの

でしょうか。本当に軽い本でした。

しかし最後のおまけ、新谷君のお話で感想は一変しました。

古代の暮らしにも男性は獲物を求め猟をし、女性は仲間とお喋りで情報交換をしながら

木の実を集め生活を守ろうとする絵が描かれているのをよく見ます。

男女それぞれの暮らしと愛と不倫に対する思いの違い、どちらがどうとは言えないのです

がやはり女性が一段上手で思いが深いのではないのでしょうか。秋葉も純粋なようで渡部

を翻弄し自分に対する本気度を試している。秋葉の叔母も実姉の夫との不倫の末、姉を

死に追いやっても未だに関係を続けている。これは寂聴曰くの本当の愛なのでしょうか。

その不倫隠しのために用意した愛人が被害者となる殺人事件(実は自殺だった)を絡め

てちょっとミステリーっぽく仕上げてあるのですが、要するに渡部の家庭と愛と不倫に翻弄

されるゆらゆら度、自身も認めているずる賢さや卑劣な考え、あーもう何なのこれ、と呆れ

るのですが誰にもこの気持ちは起こるかもしれないと思い直しました。

渡部に助言と援助を惜しげも無く与えてくれる新谷君ですが、なぜここまでと思う理由は、

で種明かしされるのです。

道徳を捨てるときが不倫という。不倫は蜜の味、一度舐めたら手放せない、もっとほしがっ

たら、忽ち取り返しのつかないことになる。

手放すものがあって得るものがある。結婚は俺からいろいろなものを取り上げた。だが得

たものもある。

赤い糸なんてものは二人で紡いでいくものなんだ。別れずにどちらかの死を看取った場

のみ、それは完成する。赤い糸で結ばれたってことになる。

浮気がばれたらとにかく土下座する。しかし土下座は贖罪のスタートに過ぎない。一生贖

罪の日は続き女房に頭上がらず、家でも肩身の狭い思いをし、どちらかが死ぬまでそれは

続く、それは地獄だ、その地獄に絶える覚悟があるのか。

これらの助言の言葉の一つ一つにそうだそうだと納得してしまう自分でした。

新谷君の今の生活が宙ぶらりんで、落ち着かないサスペンディング状態であることがサス

ペンスなのでしょう。

ミステリーとサスペンスの本でした。

読書感想? うぅーン、新谷君の言葉に深く頷きます。

 

 

◆ 【 MM 】

 2月以来の読書会開催だった。久しぶりに集まってみなさんの顔が見られて安心したし、

 

この会が好きだなあと改めて感じた。

 

 今回の課題本は人気作家、東野圭吾の作品だ。書けば売れるイメージがある人だがど

 

んな感じかなと思いながら読み進めた。

 

 最初のあたりはつかみがうまく引き込まれていった。不倫を嫌悪していた主人公が不倫

 

にはまっていく。マイナスの感情は何がきっかけでプラスになるかわからない。マイナスの

 

幅が大きい分だけプラスへのふり幅も大きいのではないかと感じた。

 

 秋葉と恋愛関係になってからの展開は時々見ていられなくて、「そんなにいいもんかね」

 

となぜか仙人になったような気分で高みから見ているような感覚だった…。話に寄り添えな

 

くて少し離れたところから読むといった感じだろうか。年代も近く、もし夫がそんな機会を得

 

ら…と考えるのが嫌なのか、情けないのかむなしいのかうまい言葉で言い表せないが中

 

はとにかくページが進まなかった。大切に想うだけじゃ駄目なのか、深い関係になること

 

必要なのか?そうは思えない…、心は自由だけど行動は理性っていうもんがあるじゃな

 

とぐるぐる考えた。

 

 嘘をつくとその嘘を正当化するために新たに嘘をつかなくてはいけない。周りを巻き込

 

ながら秋葉との約束を果たす。秋葉の実家で起こった殺人事件のことも徐々に存在感を増

 

し、そちらの展開も気になってくる。かといって引き込まれる、という感じは今回は少なかっ

 

た。なぜだろう。1回読むだけではわからないなあと思ったが2回目を読む情熱はなかった…。

 

 不倫の話でも「ああ(その心の動き)あるある」と思う小説はあるのだが、今回はそう思えな

 

かったが不思議だ。今回「ああ、そうよね」と思えたのは終盤主人公の妻の行動と番外編

 

の話だ。いろんな人がいる。感情を表に出して引き留める、片や違う方法で感情を知らしめ

 

る。どっちもいい。

 

近くにいる妻が気づかないはずないのだ。気づかれないようにするくらいの気遣いと覚悟は

 

ないのか。最近不倫スキャンダルで話題になった芸人が頭に浮かんだ。

 

 この小説、秋葉の視点から見た話が読んでみたいと思った。どうしても主人公に感情移入

 

できなかったので、同じ件の違う目線から読んでみたいと感じた。

 

 不倫不倫と感想もそちらばかりになってしまったが、殺人事件の推理についてはどうだっ

 

たか。こちらも重かったです。同じ不倫でまだ重い要素が加算されていた。私は仕事で中座

 

してしまったでみんなの感想が聞けなかった。どんな話が展開されたのか、後日感想文を

 

読むのが楽しみです。

 

 

◆ 【 SM 】

不倫とミステリー(殺人事件)を掛け合わせた東野圭吾の作品でした。

男性の狡さが終始し、どこにでもいる男性心理のリアル感を味わうことができました。妻と

離婚する決心も娘と別れる覚悟もなく、また女性(愛人)への身を焦がすような献身も

幸せを願う情熱もないのに、あたかも男としての性を満足するためのように簡単に不倫を

する設定にしてあるのは現代だからなのでしょうか。特にp116「僕の家族が待つ家だ。秋

葉ではない女性と彼女が生んだ僕の子供がいる」という表現には、静かに強烈に腹が立

ちました。この作品が映画化もされたというから、作品の中の人間関係さえも希薄になった

のだなとつくづく思います。

私は中学生の頃「愛人」に憧れた時期がありました。当時文豪と言われた作家の作品に

よる響だと想います。男性も女性ももっと情熱的で人としての葛藤にまみれ、三者の関

係は魅力的でした。不倫は、結婚制度という社会的な枠組みから見れば決して許されま

せんが、人が人を好きになり、陥ってしまう恋愛感情はどうしようもできないと思っていたの

です。ところが、この作品にはその辺りが見当たりません。

一方、女性の姿は潔い。不倫相手の秋葉は渡部を3月31日の時効が切れる最後の日ま

用し、最後はきっぱりと別れを告げる潔さが際立っています。また妻の有美子も夫の

不倫を感じながらも沈黙し続けたそのあっぱれな態度に驚嘆しました。

さて、この後、彼女と夫渡部はどんな夫婦関係を紡いでいくのでしょうか。主人公渡部に

自分を内省し、有美子と赤い糸を紡いでほしいのですが……。

『容疑者Xの献身』や『麒麟の翼』『分身』等の作品を紡ぐ東野圭吾の作品としては、不倫

もミステリーも中途半端感が否めないなと感じてしまいました。