2020年4月
『2019年度 私の一冊』
竹原読書会
芳名 |
書名 |
著者・編 |
発行所 |
発行年 |
講師 吉川五百枝 先生
|
『美しい日本の詩』 |
大岡 信 谷川俊太郎 編 |
岩波文庫 |
2020 |
一生読み終わらない本がある。これもその1冊。万葉集から現代詩まで収めている。子供の頃、源実朝の『金槐集』にある「~大波の 破れて砕けて裂けて散るかも」で、言葉で絵を描けるのだと、初めて驚いた和歌は入って居なくて残念。志貴皇子の春の歌で安らぐ。
|
||||
<YA>
|
『子どもにウケる科学手品 77』 |
後藤道夫 |
講談社 |
1998 |
2019年度限度のお薦め本ではないのですが、子供 を対象とした、ごく身近にあるもの…新聞、スプーン、フォーク、クリップ、水等々…を使っての科学的な手品を紹介した内容です。ところが大人がやってみても「ホー」とか「なるほど」と面白いものです。いくつか子供たちに見せたら「オー」という言葉が出てその様子がとても可愛いし、面白い。「何故?」とか首をひねるものもありますが、楽しい手品が載っています。
|
||||
<TK>
|
『ニュータウンは黄昏て』 |
垣谷美雨 |
新潮社 |
2013 |
バブルの前に団地を買いローンを払う人、不動産で 働かなくてもいい不労所得の人、イギリスの古い家を保って楽しむ文化。それらをとりまく人間関係を描いた人生をかいまみることができます。コーヒー一杯幾らか考えて飲むシーンとか人に直ぐ高価なものをプレゼントできる人。 地道に自分らしく生きて花を咲かせたいと感じます。
|
||||
<KT>
|
『ノンちゃん雲にのる』 |
石井桃子 |
福音館書店 |
1967 |
【出版社 内容紹介】 女の子のノンちゃんは神社の境内にある大きなモミジの木に登りますが……。子どもの心の動きが、繊細に、リアリティを持って描かれています。戦後出版されると同時に多くの読者に感銘を与えた名作。今も変わらぬ新鮮さに溢れた日本童話の古典です。
|
||||
<T> |
『人魚の眠る家』 |
東野圭吾 |
幻冬舎 |
2018 |
プールでおぼれ脳死状態になった女の子。脳死を認めるか、臓器移植はどうするか、延命治療を続け等々。重い問題を提起された話だった。母親の気持ち、行いは極端だけれども、子供の脳死を認めるまでの必要な行為であり、必要な時間だったんだなと思う。個人的には、自分で食べること・自分で呼吸することが生きているということだと思う。
|
||||
<N2> |
『冥界からの電話』 |
佐藤愛子 |
新潮社 |
2018 |
今読み終わりました。 なんと言ったら良いのでしょうか。 愛子さんらしい狐につままれたような読後感です。 まあ時間が有ったら読んでみてください。 本当にあった事なのか。 若い子の悪戯に 中年男性が真面目に引っかかってしまったのか?
|
||||
<K子>
|
『孤宿の人 上・下』 |
宮部みゆき |
新人物往来社 |
2005 |
涙しながら読みました。近年久し振りの事です。 どこが?と問われても……。長編です。でも一気に読みました。 作者の筆力でしょうか。物語の中に引き込まれました。登場人物の一人ひとりがとても魅力的なのです。主人公(呆)を取りまく周囲の人々の優しさ、モデルの場所とか状況はあったとしても…。 実話と思わせる様な構成・切り口です。「宮部みゆき」さんの追っかけ開始です。まず『この世の春』から。
|
||||
< Y >
|
『銀漢の賦』 |
葉室 麟 |
文藝春秋 |
2007 |
【BOOKデータベース】 第14回松本清張賞受賞 江戸中期、西国の地方藩で同じ道場に通った少年二人。不名誉な死を遂げた父を持つ藩士・源五の友は、いまや名家老となっていた少年の日を共に同じ道場ですごした家老と郡方役。 地方の小藩の政争を背景に、老境をむかえた二人の武士の運命がふたたび絡みはじめた―。
|
||||
<MM> |
『最後の秘境 東京藝大 天才たちのカオスな日常』 |
二宮敦人 |
新潮社 |
2016 |
東大の倍率を上回る東京藝大学生の芸術に真面目に向き合うほど傍から見ると「なにそれ?!」というエピソードがたくさん載っています。 物事、芸術をきわめるとは…いろいろ考えさせられました!
|
||||
<S子>
|
『月』 |
辺見庸 |
KADOKAWA |
2018 |
【公式サイト】 相模原障がい者施設殺傷事件をきっかけに書かれた。ノンフィクションではなく、小説でなければあの事件を書くことはできなかったと言う。 目も見えず言葉も発せず動けない登場人物が、「在る」とはどういうことかをくり返し問う。 「在る」に価値や意味を強制する社会とは何か。問い考え続けることが事件への正当な反論になるのだと語る辺見の言葉に耳を傾ける。
|